見せなさい私だけにはその涙 露を含んだ華ぞ愛しき
照滴025
本文
見せなさい私だけにはその涙 露を含んだ華ぞ愛しき
形式
#短歌
カテゴリ
#6.情愛・人間関係
ラベル
#恋愛 #親愛 #涙 #喜怒哀楽 #花
キーワード
#涙 #露 #花 #愛しさ #親密
要点
涙の美しさと愛おしさを、親しい私だけには見せてもらいたい。
現代語訳
その涙を、私にだけ見せてください。露を含んだ花のように美しいその涙が、愛おしいのです。
注釈
見せなさい:強い慈悲と愛情を伴う、促しの言葉。
私だけには:親密さの象徴
その涙:照滴024で隠そうとした「弱い自分」の象徴。
露を含んだ華:涙を花にたとえた比喩。あるいは、涙をたたえた美しい顔。 涙(露)によって美しさが増した花。
解説
感情表現の親密さと、涙に込められた美
深掘り_嵯峨
照滴024への対の歌(返歌)として機能しており、愛する者(私)からの深い受容と慈悲を示しています。
弱さ(涙)を隠す必要はなく、むしろその苦悩の涙を見せることで、人間的な美しさ(華)がさらに増すという絶対的な肯定が表現されています。これは、煩悩や苦悩を否定するのではなく、それらをそのまま受け入れること(不二の真理)こそが、真の愛であり慈悲であるという、仏教的な受容の精神を説いています。